自己紹介

心理カウンセラー 野村涼子(のむらりょうこ)

取得資格

公認心理師 登録番号47025
看護師
保健師

経歴

精神科看護師として8年間の経験

大阪大学医学部保健学科を卒業し、看護師免許・保健師免許を取得。
大学病院外科病棟、介護施設、サービス付き高齢者住宅などで勤務した後、2016年より、精神科訪問看護師として2つの訪問看護ステーションで計8年間勤務し、うつ病・双極性障害・統合失調症・パーソナリティ障害・PTSD・アディクション・自傷行為などを抱える患者様の精神的援助と生活のサポートに携わりました。
8年間の勤務のうち、5年間は主任看護師を任せていただき、病院や行政、福祉などと連携しながら患者さまを支えていくことも経験しました。

精神看護では、「患者さまとの会話は医療である」という考えのもと、対話を提供していきます。
患者さまがよりよく生きられることを目指して、治療的な会話を提供するために、対話やカウンセリングについて学ぶようになり、公認心理師資格を取得。
認知行動行動療法やブリーフセラピーなどの心理療法を学ぶ中で、ふとしたきっかけでナラティヴ・セラピーに出会いました。

わが子の不登校から見えたもの

私には3人の子どもがいますが、上の子から順番に、全員が不登校を経験しました。
わが子の不登校体験は、私にとってはとても大きなものでした。
「支援する側」から「支援を必要とする側」になり、立場が変わることで見えたものがたくさんありました。

今まで自分が良かれと思って提供してきたものは、支援者の自己満足ではなかったか?
支援者の知識や理論を用いて、支援される側の力を勝手に推し量ることはなかっただろうか?
支援される側の弱い立場を考慮してきただろうか?言いたいことを飲み込ませていなかっただろうか?

そんなことを考えるようになりました。
今までの自分のやり方ではこの先は人と関わることはできないと感じ、自分に足りないものを埋めようとしてとにかく勉強をしました。

その中で出会ったのがナラティヴ・セラピーでした。
ナラティヴ・セラピーと出会い、自分の心が癒されていくのと同時に、この先自分が提供したいのはこの姿勢であると確信しました。
それからは、必死にナラティヴ・セラピーと、ナラティヴ・セラピーの土台になっている社会構成主義を学びました。

ナラティヴ・セラピーが伝えてくれるもの

ナラティヴ・セラピーでは、「人が問題なのではない。問題が問題なのである。」という言葉があります。
この言葉の意味するところは、人が抱えてしまった問題を、その人の中に原因があるものとして捉えるのではなく、人と社会の関係、人と属するコミュニティの関係から捉えていこうとする姿勢です。
ナラティヴ・セラピーに出会う以前の私は、問題はその人が作りだしているものだと考えてきました。
そして、その問題を、その人がいかに扱えるようにするかという視点で、支援者として関わってきました。

しかし、この視点は、支援される側としてはとても苦しいものとなります。
誰だって悩みや問題を抱えたくはなかったわけで、多くは不可抗力として、突如人生にのしかかってきたものです。
それを「自分の責任」であるとされたうえで、「心が弱いから」「捉え方次第だから」という考え方を持ち込まれたとしたら、「自分はこの状況にあって何もできない無力な人間である」と何度も再確認することになってしまいます。

ナラティヴ・セラピーの会話は、たとえ暗黙的にでもその人自身に責を負わせないという前提にたち、人と問題や悩みとの関係、人と社会やコミュニティとの関係を扱う会話を丁寧に誠実に紡いでいきます。
治療的な会話は、会話の中でたった一筋でも、希望の光が見えることがとても大切なのではないかと思っています。
「自分は無力である」ということを何度も再確認させられるような会話ではなく、希望を感じ取れるような会話を提供していくこと。
私がナラティヴ・セラピーから受け取ったのは、支援におけるそのような姿勢でした。

ナラティヴ・セラピーの学びとキャリアチェンジ

npacc(ナラティヴ実践協働研究センター)にて、ワークショップシリーズ、カウンセリング・トレーニング・コースを受講し、現在は2年間の実践トレーニングコースに在籍しています。ナラティヴ・セラピーをまとめたマイケル・ホワイトの著書を読むこと、ナラティヴ・セラピーについての文章を書くこと、仲間とのディスカッションを通して学びを深めています。
2024年8月には、ニュージーランドでのナラティヴ・セラピー・ワークショップに参加してきました。
ワイカト大学の先生方によるワークショップに参加できたことは、私の人生の中でも宝物のような体験になりました。

ナラティヴ・セラピーを学び実践する中で、看護師としてではなく、心理師として専門的な関わりがしたいと考えるようになり、2024年に訪問看護ステーションを退職し、スクールカウンセラーとして勤務を始めました。
これまでの精神科勤務の経験を生かし、公立の小学校・中学校を合わせて4校で、不登校や発達障害・子どものトラウマなどと向き合っています。
小学校では、「こころの授業」として心理教育も担当させていただくことができています。

オンラインのカウンセリングは、公認心理師資格を取得した直後の2022年から、当時本業であった看護の仕事に影響しない範囲で、提供を開始していました。
訪問看護ステーションの退職を機に、こちらも本格的に募集を開始しました。

現在の活動について

カウンセリングルーム雨の庭 代表

開業カウンセラーとして活動しています。
ナラティヴ・セラピーを土台に、精神看護で培った経験や、自分の家庭で経験した不登校体験も大切に、ひとつひとつのご相談に向き合っています。
不登校や起立性調節障害、トラウマや過去のつらい体験、発達障害・精神障害・自傷行為、親子関係、職場などの人間関係などのケースでご相談いただいています。

スクールカウンセラー

公立の小学校・中学校にて勤務させていただいています。
児童生徒・保護者へのカウンセリング、教員へのコンサルテーション、児童生徒への心理教育、教員の研修などを担当しています。

その他

2022年9月 看護+one「医療従事者応援ソング」出演
2023年6月 株式会社remental主催「ナラティヴ・セラピー入門」講師
2023年8月 看護+one インタビュー出演
2023年10月 FMGIG「Rosemaryのほっこり心晴日和」出演
2024年2月 ダブルケア当事者団体様の「防災ワークショップ」にてスピーカー
2024年4月 npaccの「ナラティヴ・カーニバル」にてプログラム「看護における対話の可能性」提供
2024年11月 オープンダイアローグアプローチ研究会FLAT様の「オープンダイアローグカレッジ2024後期」にてスピーカー
2024年12月 ラヂオきしわだ出演