過剰適応とは - 発達障害の子どもの特性と認識の重要性
発達障害と過剰適応の関係性
「発達障害だけど、成長して落ちついた」
「発達障害を疑っていたけれど、治った」
こういう状況に、心当たりはありませんか?
子どもが小さいときに、「発達の特性をもっている」とわかった場合、その特性は生涯にわたって消えたり弱くなったりすることはありません。
小さいときに、お友達との関係で苦労したり、他の子が簡単にできていることがなかなかできずに苦労したり。
親御さんは本当に心配して、ハラハラしながら、ときにまわりの理解が得られず悲しい思いもしながら、ものすごくエネルギーのいる子育てをします。
しかし、学齢期になると様子が一変。
トラブルや困りごとが減って、「うちの子、落ちついたな」「ホッと一安心」のようになることがあります。
これが、過剰適応なのです。
過剰適応の特徴と社会要因
過剰適応の状態になると、一見困りごとが落ちついたように見えます。
「発達障害を疑っていたけど違ったのかも」「成長して治った」という認識をされる方もいます。
しかし、子ども本人の中では、何ひとつ変わっていません。
発達の特性は、消えたり、弱くなったりすることはないからです。
あいかわらず友人関係はしんどいし、苦手なことはたくさんあるし、うまくいかないことの連続です。
ただ、社会生活の中で、どうすれば怒られないか、どうすれば目立たないのか、ということを子ども本人も学習していきますので、ものすごく、ものすごく無理をしてまわりに合わせている状況なのです。
過剰適応が及ぼす影響 -二次障害や不登校
過剰適応の早期発見の重要性
実は、問題が表面化しているお子さんより、過剰適応しているお子さんの方が心配なのです。
問題が表面化しているお子さんは、困っていることがわかります。
SOSが出ているので、何らかの対処を考えてもらえたりもします。
一方、過剰適応のお子さんは困っていることがパッと見ではわかりません。
すごく困っているのに誰にも気付いてもらえない、非常に苦しい状況になってしまいます。
学年進行とともに増える不登校や行動問題
この「無理をして合わせている過剰適応の状態」が続くと、やがて学校に行けなくなったり(まわりからは、なんで行けないのかさっぱりわからない)、うつや双極性障害、適応障害、パーソナリティ障害などの二次障害を引き起こしたりします。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちのより良い人生を考えるとき、二次障害を予防できたかどうかはかなり重要な要因となります。
私は精神科で看護師として勤務していますが、精神疾患の方と関わっていると、発達特性・グレーゾーンの特性をお持ちの方が多いと感じることがあります。
精神科にかかるきっかけとしては、精神症状が出現したことで、その治療のためにお越しになるのですが、かなりのケースが発達障害・グレーゾーンからの二次障害なのではないかと推測しています。
※精神疾患による認知の低下や、いじめや虐待など継続して辛い出来事にさらされる経験からも、発達障害のような症状を呈することがよくあります。ですので、精神疾患と発達障害は、「どちらが先にあったのか」を厳密に判別するのは難しいところがあります。
過剰適応の対応策
子どもの過剰適応問題に対する親の理解と行動
学校だけではなく、ご家庭でも、良かれと思って子どものためを思う気持ちから
・しつけが負担になっていないか
・無理をさせていないか
ときどき振り返ってみることが大切です。
子どもは、親(大人)に喜んでほしくてがんばってしまう生き物ですので、なかなか自分ではストップがかけられません。
大人の方から気にかけてあげる姿勢をもっておきたいですね!
過剰適応と子どもの未来 - 心の安心を目指して
発達障害・グレーゾーンの方で、学校生活などを通してソーシャルスキルが上がり、過剰適応しているわけではなく、社会生活への適応度が高い方もいらっしゃいます。
成長とともに、社会への適応度の高さから、診断名を必要としなくなる子もいます。
大切なのは、過剰適応という状態が広く認知され、いつも過剰適応の可能性を頭におきながら発達障害・グレーゾーンの子をはじめとするすべての子どもたちを見守るという姿勢です。
その姿勢が、二次障害や精神疾患に苦しむ人を減らすことにつながるのではないでしょうか。
・まわりの期待に応えさせていないか?
・型にはめて苦しめていないか?
を常に振り返りたいですね!