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対等な関係は幻:人間関係を左右する力関係

対等な関係は人間関係において可能なのか

私が大学で看護学を学んだとき、何度となく「患者さんと対等な立場で」と教わりました。

実習で自分で看護計画をたてるときも、一人前の看護師として働く今も、「対等で」という言葉は何度も出てきます。

もっと他の場所でも・・

子どもの学校でも、担任の先生をはじめ教頭先生、校長先生も、何度も「子どもたちと対等で」と繰り返しています。

でも、私は、もうずっと前から「対等」のうさんくささに嫌気がさしていました。

どういう状態が対等なのか??

どうなれば対等と言えるのか??

そんなことをよく考えもせずに、「対等」って独り歩きしていませんか?

とりあえず言っとけばいい、みたいな雰囲気すら感じます。

人間関係には、必ず力関係が生じている

私が取り組んでいるナラティヴ・アプローチでは、力関係をなくすことはできないという前提に立ちます。

人と人の関係には必ず力関係が生じていて、自分の発する言葉や雰囲気、行動は、力関係から影響を受けることを免れないということです。

私たちは、無意識に力をふりかざす生き物です。

力を持つ側に立てば、どんな人でも、無意識に力(権力)を振りかざしてしまうのです。

どんなに対等を目指しても、対等にはなり得ない。

この前提に立つことがすべての出発点だと思っています。

コミュニケーションにおける対等な関係の意味

・自分と相手は対等ではない

・相手は自由に話せていないんだ

という前提に立つことで

「他にもなにか思っていることはないですか?」

「今言えていないことがないですか?」

「私の言ったことで修正したい、付け加えたいところはないですか?」

という一言を付け加えることができるようになります。

カウンセリングの場において、対人支援の場において、親子関係であっても、相手が対等な立場で

自由に思いのままに話してくれていると思うのは大間違いなんですよね。

もはや神話だと思ってます。

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野村涼子のAmebaブログ
  • この記事を書いた人

野村 涼子

精神科訪問看護師として8年勤務し、2021年に公認心理師(国家資格)を取得。【カウンセリングルーム雨の庭】を開業し、カウンセラーとして活動中。スクールカウンセラーとしても勤務し、学校現場で不登校や発達障害・子どものトラウマなどと向き合っている。 ナラティヴ・セラピーを学び、カウンセリングの軸にしている。2024年8月、ニュージーランドのナラティヴ・セラピー・ワークショップに参加。 >>野村涼子のAmebaブログ

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